赤羽末吉展 −絵本は舞台だ−

ここ数年、ちょっと「子育て」を理由に、ひとりでのおでかけを控えていた
かもしれません。
今年はでかけます。そう、決めました。
納得する子育てをするためにも、子育てに少しのゆとりを持つためにも、
ひとりおでかけはどうしても必要と思ったので。


絵本作家さんの講演会とか、
お付き合いのある業界の方との食事会とか、
展覧会とか、観劇とか…。


一歩外に出ると、感じることがたくさんあります。
感じたことを、仕事や普段の生活に活かしたいし、
子どもたちにも「感じる」ことの大切さを教えてあげたいし、
だから、なのです。


今日は、ちひろ美術館で開催中の赤羽末吉展に行ってきました。


50歳から絵本を発表されていたことも、アメリカ大使館にお勤めされて
いたことも、あれもこれも、知らないことばかりでした。
知っていたのは、『スーホの白い馬』や『おおきなおおきなおいも』の
素晴しさ。
日本人に産まれて、日本に育ち、日本人が描いた日本の絵本を、
日本人のこころで感じ、笑い、泣き…そんなことがいいなぁと思わせて
くれる作家です。


モンゴルの草原の乾いた質感(スーホ)と、日本の雪景色(かさじぞう)の
なんと対照的なこと。
驚きでした。


長くなりましたが、『スーホの白い馬』の原画付近に、ちいさく貼り出されて
いた、とても存在感のある言葉を紹介します。
深く、敬礼したい気持ちになりました。


 私は子どものものは大衆的なものだと思っている。
 私は両立しないといわれる大衆性と格調の高さとを
 両立させたい。
 絵に深さを持ちたい。高さをもたせたい。
 強さもやさしさももちたい。
 そうしたものをもって壮大なロマンをかきたい。
 そういう絵本をかいて子どもに無造作にみてもらいたい。
 それが私の念願である。