ハンガリーのワインと石井桃子さん。

中川宋弥・李枝子ご夫妻に、ハンガリーレストランに連れて行っていただきました。
初めてでした。
昨年、ハンガリーの絵本作家、マレーク・ベロニカさんとのご縁があり、
ハンガリー在住のマンディ・ハシモト・レナさんとのご縁があり、
ハンガリーという国に思いを馳せていました。


トカイという白ワインの美味しいこと!
キリリと辛口なのですが、後からふわあんとフルーティな感じがします。
美味しいお食事をいただきながら、本(図書)について、お酒について、
国について、美術について…もう、もう、語れきれないほどのお話を
うかがいました。


どこにいても、誰といても、石井桃子さんの話題になるのはなぜでしょう。
敬愛する石井桃子さんのお話、いつ、どんなことを聞いても、胸がドキドキ
してしまいます。
お会いできなかったけれど、いつも傍にいてくださるような気がします。
絵本の仕事をしてきて、面白いと感じるときも、辛い思いをするときも、
いつも石井桃子さんが背中を「押す」のではなく、ぐいっと「ひっぱって」
くださるような気がするのです。


中川ご夫妻の口から出てきた、石井桃子さんを語る意外なことば。
それは
 「石井先生は、とても、きわめて、尋常な方でした」
ということ。
だからこそ、平らな目線で数々の書物を読み、子どもたちの目線にも
なりながら、絵本の創作・翻訳・編集を努められたのですって。
普通であることの難しさ、ゆえの素晴しさ。
おふたりの口から出ることばでなければ、そんなにたいそうなことに
思わなかったかもしれません。


石井先生の本、また読みます。
もう何度目かの『ノンちゃん雲に乗る』も、今読んだら、どんな気持ちに
なるだろうと想像してみました。


今日は、心が震えて、一枚も写真を撮ることができませんでした。